新潟2歳S マイル

第31回新潟2歳S(GIII)

早いもので、2歳戦がついこの前スタートしたと思ったら、函館開催最終日には函館2歳ステークスが行われ、そしてもう重賞か、などと考えていたら、あっという間に「夏の2歳重賞デー」がやってきてしまった。
ということは――もう夏も終わりである。

今年は競馬開幕当初からいろいろあった、まさに「特別な年」であり、そうした年にデビューを果たす馬たちは無論「特別な世代」の2歳馬である。
新潟の長い直線で「夏の2歳王者」の座を目指して例年多頭数になる新潟2歳ステークスが、今週の日曜新潟のメインである。

新潟芝の外回りのマイル戦で行われるこのレース、ここで勝つ馬たちというのは例外なく「来年の府中で・・・」という評価を与えられることになるのだが、これに反比例するように、ここの勝ち馬はいまひとつ3歳、あるいは古馬になってからの活躍する馬というのがどうも少ない。
長い直線で基本距離のマイル戦を好時計で勝てば、誰だって先を嘱望したくなるものであるが、しかしその「長い直線」、「マイル戦」、「好時計」であったとしても、新潟の外回りコースで行われるレースというのは、そのレベルを額面通りに受け止めてはいけないレースでもある。

未来ある夏の若駒に対してこんなことは言いたくないが、あまり底力に溢れるような血統に魅力を感じて先のあるタイプの馬を狙うというよりは、図抜けた切れ味がある、あるいは軽快な先行力があるといった、基本に忠実な予想スタンスでこのレースを占うのがやはり無難と言えるのではないだろうか。

ただ、そんなことを言っていては、穴馬が浮上することはまずありえないから、距離実績やコース実績には目をつむり、思い切って函館組を狙ったり、あるいはダート路線を歩んできた馬たちにも、穴馬となりそうなファクターが少しでも含まれていれば、その部分を例によって限りなくデフォルメして、自分に「これだ!」と言い聞かせながら、儚い夢を若い2歳馬たちの背中に描くのも悪くないかなと、個人的には考えている。

夢の先に実利があれば、それに越したことはない。
ただ、未来ある若い馬のレースならばなおさら、「夢」を託してみたいものである。