レースの感想

ノリちゃん破顔!ホエール悲願!GIキャプチャ!~第7回ヴィクトリアマイル(GI)

完ぺきなコース取り、完ぺきなペース配分、完ぺきな走りで、無冠の大器・ホエールキャプチャがついに、ついに、とうとうGIホースになった!
みなさん、ホエールキャプチャと横山典弘騎手、そして関係者のみなさんに拍手を!!

ということで、素晴らしい競馬だった。
ノリちゃんがあんなにうれしそうにしているのを見たのは初めてだ。
自身の好騎乗を含め、そこにはいろいろな意味があふれ出していたが、まずはレースを振り返ろう。

コース替わりがあったから、時計は予想されたよりもだいぶ速くなった。
期待したマイネイサベルや、3着に頑張ったマルセリーナをはじめとして、だいぶ行きたがる馬が多かった中、まるでGIの勝ち方をすでにわかっているかのような落ち着きで、雰囲気からして他馬を圧倒していた。

といっても、それほどペースはスローというわけではなかった。
昨年はオウケンサクラが猛ラップで逃げたためにちょっと異なるから、流れは一昨年とその前のブエナビスタ、ウオッカが勝った年に近かったか。
偶然にも勝ち時計も同じ1分32秒4だった。
ただ、今年の高速ではない馬場を考えると、内容的にはブエナビスタやウオッカのレース以上の価値があったとも考えられる。
もちろん、ブエナビスタやウオッカを上回る力があるとは言わないけれど。

3F~4Fのところで少し緩んだ(とは言っても12秒ジャスト)だけで、テンの1Fをのぞけばほとんど一定のラップを刻む流れを3番手の好位から進んだホエールキャプチャ、特に府中のマイル戦という意味で、その力がここでは抜けていた。
馬群が一団だったから、ラップ以上にスローではなかった。
平均ペースの前半(46秒4)を好位で流れに乗り、レース全体で後半4Fは11.8-11.5-11.2、そして抜けだしたラスト1Fは少し気を抜いて11.5という内容。
これは立派だろう。

もちろん典弘騎手の好騎乗は際立って光った。
しかしデビューして4戦目までに逃げ・好位抜け・差し・追い込みのすべての脚質を経験していたホエールキャプチャ自身の自在性が大きかった。
少し外すぎると思って印的には評価を下げたけれど、ノリ騎手ははじめからあの競馬をイメージしていた。
ホエールキャプチャだったからそういうイメージが容易であり、そしてイメージ通りに運ぶことができたわけだから、ノリ騎手の「頭の下がる思い」という言葉、納得である。

確かにホエールキャプチャにとって一番いい流れにはなった。
究極の上がり勝負ではない、底力を問われる流れになったことが幸いしたが、それは逆に言えば、他の馬は完全な力負けであったことの裏返しであり、「イン有利」は確かだったとしても、ホエールキャプチャ自身は恵まれた勝利ではない。
成績からはちょっと信じられないかもしれないが、本来この馬は、根性で乗り切るタイプだと思う。
でも、「並んでから抜かせない根性で・・・」という展開にすらならなかったのだから本当に素晴らしいと思う。

2着は、3歳時にはレーヴディソールと比較されたほどのドナウブルーが、そのポテンシャルをようやくここで証明した。
成長力という点では少し心配されることが多いディープインパクト産駒の中でも、この馬の成長は目を見張るものがあった。
絶不調期を経験し、それを自身の力で乗り越えた自信が大きかった。
勝ち馬はもちろんだが、3着マルセリーナとともに、素晴らしいデキであったから、力は出せたのではないか。

アパパネは・・・まあ正直なところ、昨年のこのレースのときのデキには程遠かった。
馬自体はだいぶ締まってきていたが、五冠牝馬特有の勝負根性が発揮できなかった。
ホエールキャプチャの直後に位置しながら、混戦の2着争いに完全に敗れてしまったのは、並ばれて抜かせない強かったころのアパパネの姿ではなかった。
でも・・・でも、私はあと1回アパパネを買いたい。

先頭ゴールを果たし、スタンド前で立ち止まり、誇らしげな馬上からスタンドにゴーグルを投げ入れ、ステッキを投げ入れ、そして再びゴーグルを投げ入れた横山騎手。
このまま放っておいたら全裸になってしまうのではないかと一瞬思ったが、その後はフランキーデットーリにだけ許されているはずの「ジャンプ・オフ」を見せるほどの喜びよう。
検量室前でも再びフランキージャンプを披露した横山騎手であった。

ノリ騎手も一昨年の大けががあり、それまでの恐ろしいほどの勢いが完全に止まってしまった。
その後内田騎手も大けがから復帰して、今年ゴールドシップで皐月賞を勝つ姿を見て、少し萎えかけていたかのようなノリ騎手の気持ちがもう一度前を向いたところにめぐってきたホエールキャプチャとのコンビだったのではなかったか。
昨年一年は「失意の一年」であった人馬にとって、互いが互いを理解していたかのような、「人馬の勝利」であった気がする。

もちろん、どのレースでも人馬の呼吸がかみ合わなくては勝てないのは分かっているが、今回は互いの心が本当に通じ合っていたように感じられた。
レース前からホエールキャプチャは「ノリ騎手を勝たせたい!」ときっと思っていたし、ノリ騎手も「ホエールを勝たせる!」と思っていたのは間違いない。

まるで少年のような、あんなにうれしそうだった横山典弘騎手の姿から、「もしかしたら、もう・・・」という思いが復帰以降どこかにあったのかもしれないと、そんなふうに思えた。
だから、よかった。
ホエールキャプチャももちろん本当によかったし、ノリちゃんも本当によかった。
人馬の今後の活躍がすごく楽しみである。

本当に素晴らしい競馬であった。

ノリちゃん破顔!ホエール悲願!GIキャプチャ!~第7回ヴィクトリアマイル(GI)

完ぺきなコース取り、完ぺきなペース配分、完ぺきな走りで、無冠の大器・ホエールキャプチャがついに、ついに、とうとうGIホースになった!
みなさん、ホエールキャプチャと横山典弘騎手、そして関係者のみなさんに拍手を!!

ということで、素晴らしい競馬だった。
ノリちゃんがあんなにうれしそうにしているのを見たのは初めてだ。
自身の好騎乗を含め、そこにはいろいろな意味があふれ出していたが、まずはレースを振り返ろう。

コース替わりがあったから、時計は予想されたよりもだいぶ速くなった。
期待したマイネイサベルや、3着に頑張ったマルセリーナをはじめとして、だいぶ行きたがる馬が多かった中、まるでGIの勝ち方をすでにわかっているかのような落ち着きで、雰囲気からして他馬を圧倒していた。

といっても、それほどペースはスローというわけではなかった。
昨年はオウケンサクラが猛ラップで逃げたためにちょっと異なるから、流れは一昨年とその前のブエナビスタ、ウオッカが勝った年に近かったか。
偶然にも勝ち時計も同じ1分32秒4だった。
ただ、今年の高速ではない馬場を考えると、内容的にはブエナビスタやウオッカのレース以上の価値があったとも考えられる。
もちろん、ブエナビスタやウオッカを上回る力があるとは言わないけれど。

3F~4Fのところで少し緩んだ(とは言っても12秒ジャスト)だけで、テンの1Fをのぞけばほとんど一定のラップを刻む流れを3番手の好位から進んだホエールキャプチャ、特に府中のマイル戦という意味で、その力がここでは抜けていた。
馬群が一団だったから、ラップ以上にスローではなかった。
平均ペースの前半(46秒4)を好位で流れに乗り、レース全体で後半4Fは11.8-11.5-11.2、そして抜けだしたラスト1Fは少し気を抜いて11.5という内容。
これは立派だろう。

もちろん典弘騎手の好騎乗は際立って光った。
しかしデビューして4戦目までに逃げ・好位抜け・差し・追い込みのすべての脚質を経験していたホエールキャプチャ自身の自在性が大きかった。
少し外すぎると思って印的には評価を下げたけれど、ノリ騎手ははじめからあの競馬をイメージしていた。
ホエールキャプチャだったからそういうイメージが容易であり、そしてイメージ通りに運ぶことができたわけだから、ノリ騎手の「頭の下がる思い」という言葉、納得である。

確かにホエールキャプチャにとって一番いい流れにはなった。
究極の上がり勝負ではない、底力を問われる流れになったことが幸いしたが、それは逆に言えば、他の馬は完全な力負けであったことの裏返しであり、「イン有利」は確かだったとしても、ホエールキャプチャ自身は恵まれた勝利ではない。
成績からはちょっと信じられないかもしれないが、本来この馬は、根性で乗り切るタイプだと思う。
でも、「並んでから抜かせない根性で・・・」という展開にすらならなかったのだから本当に素晴らしいと思う。

2着は、3歳時にはレーヴディソールと比較されたほどのドナウブルーが、そのポテンシャルをようやくここで証明した。
成長力という点では少し心配されることが多いディープインパクト産駒の中でも、この馬の成長は目を見張るものがあった。
絶不調期を経験し、それを自身の力で乗り越えた自信が大きかった。
勝ち馬はもちろんだが、3着マルセリーナとともに、素晴らしいデキであったから、力は出せたのではないか。

アパパネは・・・まあ正直なところ、昨年のこのレースのときのデキには程遠かった。
馬自体はだいぶ締まってきていたが、五冠牝馬特有の勝負根性が発揮できなかった。
ホエールキャプチャの直後に位置しながら、混戦の2着争いに完全に敗れてしまったのは、並ばれて抜かせない強かったころのアパパネの姿ではなかった。
でも・・・でも、私はあと1回アパパネを買いたい。

先頭ゴールを果たし、スタンド前で立ち止まり、誇らしげな馬上からスタンドにゴーグルを投げ入れ、ステッキを投げ入れ、そして再びゴーグルを投げ入れた横山騎手。
このまま放っておいたら全裸になってしまうのではないかと一瞬思ったが、その後はフランキーデットーリにだけ許されているはずの「ジャンプ・オフ」を見せるほどの喜びよう。
検量室前でも再びフランキージャンプを披露した横山騎手であった。

ノリ騎手も一昨年の大けががあり、それまでの恐ろしいほどの勢いが完全に止まってしまった。
その後内田騎手も大けがから復帰して、今年ゴールドシップで皐月賞を勝つ姿を見て、少し萎えかけていたかのようなノリ騎手の気持ちがもう一度前を向いたところにめぐってきたホエールキャプチャとのコンビだったのではなかったか。
昨年一年は「失意の一年」であった人馬にとって、互いが互いを理解していたかのような、「人馬の勝利」であった気がする。

もちろん、どのレースでも人馬の呼吸がかみ合わなくては勝てないのは分かっているが、今回は互いの心が本当に通じ合っていたように感じられた。
レース前からホエールキャプチャは「ノリ騎手を勝たせたい!」ときっと思っていたし、ノリ騎手も「ホエールを勝たせる!」と思っていたのは間違いない。

まるで少年のような、あんなにうれしそうだった横山典弘騎手の姿から、「もしかしたら、もう・・・」という思いが復帰以降どこかにあったのかもしれないと、そんなふうに思えた。
だから、よかった。
ホエールキャプチャももちろん本当によかったし、ノリちゃんも本当によかった。
人馬の今後の活躍がすごく楽しみである。

本当に素晴らしい競馬であった。

若い復活とベテランの初戴冠~第57回京王杯SC(GⅡ)/第14回京都HJ(J・GⅡ)

ちゃんと買ったぞー!

あ、いきなりすみません。
いや、去年はジャンプ重賞の発走時間を間違えて、ちょっとした馬券を獲りそこなってしまったことがあったので、今日はまず「ちゃんと買った」自分を褒めてやりたい気持ちである。
そして、期待した9歳馬・エムエスワールドがなんとレコードで快勝、京都得意、高速決着得意の若手・テイエムハリアーをらくらく差しきっての優勝だったから、これはお見事であった。
そして馬券も「ちゃんと勝ったぞー!」である。

金曜の予想コラムをお読みいただいた方はお気づきと思うが、私は完全にテイエムトッパズレとこのテイエムハリアーの血統を逆に記憶していて、「サドラーズウェルズ系のテイエムハリアー」などと書いてしまった気がするのだが、
これはまったく間違いである。
テイエムオペラオー産駒はそのテイエムトッパズレのほうであった。
こちらテイエムハリアーはニューイングランド産駒、普通に「サンデーサイレンス系」である。
これは大変失礼しました。

それにしてもエムエスワールドの飛越の安定感というのはかなり目を見張るものがある。
もともと持って生まれた素質なのだろう。
9歳のベテランとは言っても、障害でのキャリアはまだそんなにないから、この馬はまだまだこれからだろう。
マジェスティバイオあたりの「若い者」に負けていないところをいずれ見せてくれるのではないか。

圧倒的人気であったバアゼルリバーは、こういうレコードが出るような馬場では少し厳しかったか。
というよりも、勝ち馬と2着馬があまりにも適性が高すぎたというところだろう。
とはいえ、着順的にちょっと負けすぎの感もあり、やはり少し間隔が詰まってきているのがこの馬にとってはあまりよくなかったのではないかという気がする。


そして、府中のメインはおなじみの京王杯スプリングカップであったが、このレースはたまぁにこういう大波乱が起こるんですよね・・・
勝ったサダムパテックは、ウィリアムズ騎手が乗って一変した。
「騎手次第でこんなに変わるのか?」という意見もあるだろうが、それは違うと思う。
確かにこのクラス、この距離としては平均ペースを流れに乗ったウィリアムズ騎手の好騎乗は光ったけれど、しかしこのサダムパテックという馬は、基本的にはこういう距離でこその馬だと思う。

これまであまりにも長いところにこだわりすぎていた。
皐月賞で2着があったから、能力の高さが結果として仇となってしまった気もするが、本来はとても長いところで競馬するようなタイプではない。
暖かくなって身体も引き締まっていたし、何よりこの平均ペースの流れで折り合いピタリであった。
ウィリアムズの好騎乗は否定しないが、しかし今日はサダムパテックが距離と流れに慣れて本来の力を発揮したと考えたい。
これでいちおう「完全復活」の形ができた。
安田記念、楽しみである。

2着のレオプライムはラスト一杯一杯でギリギリ届いた2着であったが、これは少し時計面で盲点になってしまった。
全後半がまったく同じラップで、府中のこの距離にしては珍しくレースが流れたが、これは後方一気を決めていた三浦騎手の作戦が嵌った印象の2着であった。
安田記念に向かうのかどうかわからないし、賞金的に足りるのかどうかも少し微妙な気もするのだが、うーん・・・今回は少し展開に恵まれた印象が強い。

3着のインプレスウィナーは期待したとおりの内容で、サダムパテックにはさすがにかなわなかったが、しかしラストは惜しかったなぁ・・・
かなり気合が乗っていたし、この距離でこの流れでもギリギリ折り合ったという感じであったが、しかしラストの伸びは鋭かった。
こちらこそ安田記念に出てもらいたい気もするのだが、これは賞金的にちょっと厳しいか。
うーん・・・あとハナだけだったからこれは少し残念。
しかし、このメンバー、この流れでも互角以上にやれたのだから、この馬はやはりここから強くなっていく。

4着ストロングリターンは、骨折明けでも仕上がり自体はそれほど悪くなかったようで、ここを叩かれた上積みは大きいはず。
本番への期待がこれで一気に高まった。
人気のサンカルロは、まあ高松宮記念組の場合こういうケースは本当によく見られるから、サンカルロの場合もその典型的な「宮記念負け」だった気がする。

期待したジョーカプチーノは少し残念であった。
この馬は、やはり昨年の高松宮記念で受けた大きな不利が精神的な部分で邪魔をしてしまっている気がする。
あれからまったくこの馬本来の闘志が影を潜めている。
あの手ごたえであそこから伸びないというのは、自分でレースをやめてしまっているということ。
気持ちだけである。
立ち直ってもらいたい。

何とか馬券を的中することができたからよかったが、せっかくこんなビッグな配当が飛び出したレースこそ、何とか的中させたかったなぁ・・・
ただ、このところちょっと予想が良くなってきているという幻覚が見えるので、明日のヴィクトリアマイルも少し期待したいところである。

9歳馬の「初戴冠」、4歳馬の「復活」――競馬というのは本当におもしろいものである。

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