競馬予想

第16回秋華賞(GI)

大本命のレーヴディソールが戦線を離脱し、京都の内回りの芝で行われるということで、ただでさえかなり難しい予想を余儀なくされている今年の秋華賞であるが、今年は異常なほどの高速馬場――であったはずが、木曜日あたりから西のほうは雲行きが怪しげになり、今度は雨の影響がどのくらいになるかというところまで心配しなければならないわけだから、これはもうカオスである。
秋華賞と言えば、「隔年大波乱」という感じのレースであるが、今年もまた荒れそうである。

注目はホエールキャプチャ。
6枠12番に入った。
枠順にはこだわらないタイプだが、大外ではなかったことと、偶数枠が当たったことはまずよかったのではないか。
ライバルと目される超良血・アヴェンチュラは2枠4番に入った。

これら2頭に加えて、桜花賞を勝っている大外のディープインパクト産駒・マルセリーナがどこまで持ち直しているか、加えて好時計をマークしていた紫苑ステークスの上位組も今年は侮れないだろう。
しかし、そうした狙いはもちろん成立すると同時に、まったく考えていなかった馬がいきなり好走するのがこの秋華賞。
これを予想するのは至難の業であるが、今年はダメ元でそういう狙いを立ててみたい。

ホエールキャプチャが(たとえ多少出遅れたとしても)ここで崩れるということはまず考えづらく、ホエールキャプチャを中心に、まわりをガッチリと穴馬で固めてみたい。
ということで本命は、前走紫苑Sでは期待を裏切ったピュアブリーゼ(3枠6番)にした。
本当は本命の予定ではなかったのだが、京都も多少は雨の影響がありそうということで、こちらを本命。

前走紫苑Sでは、善臣騎手のフランス遠征の関係で逃げることができず、本来の形にはなれなかった。
しかし、オークスでは非常に速いラップを踏んで、降りしきる強い雨の中を粘りに粘って2着。
出負けしたとは言え、ホエールキャプチャを封じたのだから価値がある。
今回鞍上は善臣ジョッキーに戻っているし、何より京都の内回り、ホエールキャプチャが出遅れなくても、出遅れた分くらいはすでに優位に立っていると言える。
オークスの再現を期待する。

相手はホエールキャプチャ。
どんな競馬でもどこからでも競馬できる強みは、このトリッキーなコースでこそ全幅の信頼を置ける。
この馬の根性は、2歳時から半端ではない。
デビュー以来[4,3,2,0]はほぼパーフェクト。
まともな競馬をしたときにはすべて勝っている。
前走着差は少なかったが、内容的には圧勝、敵は自分(スタート)だけだと私は思う。

そして単穴は、本当はこちらを本命にする予定であったが、スピードリッパー(5枠10番)にした。
この馬はスピードタイプだから、前走こそ紫苑Sで凡走したものの、今の高速馬場は本来この馬向き。
ただ、雨の影響を考えると、どうしても本命にはできなかった。
北村騎手は、記憶が正しければ、あのダンスインザムード以来GI勝利から遠ざかっている気がするが、そろそろ勝たなくてはいけない。

そして押さえの筆頭は、超高速馬場でも雨馬場でもどちらもこなす産駒が多いホワイトマズルの子・フレンチボウ(3枠5番)を挙げたい。
この馬は凡走と好走を繰り返しているが、負けた相手がマルセリーナ(デビュー戦)であったりフレールジャック(3戦目)であったりするわけだから、これは仕方がない。
前走紫苑Sは時計が速すぎたが、秋華賞は多少緩い馬場を見込める。
であれば、この馬の成長力は実はメンバー中随一の可能性を秘めている。
頭で買う。

あとは、ホエールキャプチャと2度も好勝負をしているマイネイサベル(7枠15番)は、前が速くなるならばここでも出番はありそう。
そして、ローズステークスでは一瞬見どころがあった最内枠のキョウワジャンヌは警戒が必要だろう。
紫苑S組では、オークスでも大穴として狙ったカルマート(8枠16番)の末脚も警戒。
そして、春のクラシック組では、私はエリンコート(5枠9番)のほうだと思う。
結果的にホエールキャプチャに先着し、ピュアブリーゼには完勝であったわけだし、オークス以後2度負けているマルセリーナより、1度しか負けていないエリンコートのほうに可能性があるのは自然と思えるのだが・・・

アヴェンチュラは正直言って怖いが、京都の内回り向きではないと、私は思う。
変わってというわけではないが、万一重以上の馬場悪化があれば、マイネソルシエール(4枠7番)を押さえたい。

難しいレースではあるが、今年は久々に的中させたい!

◎ ピュアブリーゼ
〇 ホエールキャプチャ
▲ スピードリッパー
△ フレンチボウ
△ マイネイサベル
△ キョウワジャンヌ
△ カルマート
△ エリンコート
重注 マイネソルシエール

第59回府中牝馬S(GIII)

日曜の東京は雨の予報も出ているが、それほど大雨にはならないようだし、芝コースは悪く見積もっても「不良」ということはないだろう。
開幕間もない府中の馬場だけに、やはりかなり時計の速い決着になりそうだ。

今年で59回目という古い歴史がある府中牝馬ステークスであるが、別にハンデ戦というわけではない割に、ここ数年は特に荒れ模様となってきている。
これはおそらく、エリザベス女王杯を目指す有力馬が休み明けの分、そういう形になっているのではないか、と憶測しているが、今年の府中牝馬S、レースの「目玉」は、今回がその休み明けになる昨年の三冠牝馬、そして今年はブエナビスタを破ってトータル五冠牝馬となったアパパネである。
2枠4番の絶好枠に入った。

単勝の上ではまあこれが断然人気になることは疑いないわけだが、このアパパネという馬、休み明けは走った試しがない。
3連単で切る勇気はないが、しかし頭でこの馬を買いたい気にはならない。
今回はかなり満足できる仕上がりだという情報もちらほら耳にするが、そこは五冠馬、本気モードにはまだなっていないのではないかという気がする。
これに走られたら潔くあきらめるしかない。

福島のデビュー戦は3着、そして2歳女王として臨んだチューリップ賞はショウリュウムーンに完敗の2着、2冠馬となって迎えた秋緒戦のローズステークスは4着、三冠馬となって迎えた今年の緒戦となったマイラーズCも4着と、ビッグタイトルは次々と手に入れながら、休み明けはどうもいま一歩気合が足りないというのがこのアパパネの「性格」である。
とすれば、いくら五冠牝馬が出走するからといって、いや、そんな五冠馬が出走するからこそ、穴馬を探したい気持ちにさせられるものである。

ということで、休み明けになる好枠のセラフィックロンプ(1枠2番)にした。
昨年はいよいよ本格化という活躍を見せ、今年も快進撃は続くかに見えたが、しかし今年は逆に大スランプの春シーズンであった。
その内容は、連戦の激戦の疲れが出たのかな、という印象であった。
この馬は、実は昨年も休み明けの人気薄でここを使われ、そして2着に粘って大穴をあけた。
このレースの特徴は、秋華賞の「馬名」ではないが、レースポイントでも触れたように「2年連続」で活躍する馬がときおり現れるということで、そのパターンに期待してみたい。

そして相手。
これがまた実に難しいのだが、こちらも休み明けになるウェディンウフジコ(5枠10番)に期待してみたい。
根拠は雨。
東京は土曜日くらいから本降りになるそうだから、雨の影響を受けるのは京都よりこちらのほうという感がある。

この馬はこれまでとにかくタフに走り続けてきて、ここは完全に一度オーバーホールした形になったが、これまでそれほど大きな馬体重の変動がないから、ここもプラス10kgまでという条件付きで狙ってみたい。
昨年、少し下火になってきたかな、という印象があってこのレースをコンマ4秒差の5着。
1年ぶりでも存在感を示してほしい。

そして単穴は当然・・・フミノイマージン(3枠5番)である。
この馬の現在の充実ぶりは目を見張るものがあり、アパパネが休み明けなら十分首位も考えられる。
おそらく5番人気前後で、しかもアパパネとそれほど差のない支持を受けることになると思うが、現在の充実ぶりに期待したい。
府中に良績がないのが少し心配だが、ここは大きなチャンスだ。
鞍上の太宰騎手は安藤光彰騎手の娘さんと結婚を発表したということもあり、ここは重賞勝利で華を添えたいところだろう。
本人も気合満点だろうし、陣営もおそらく抜かりなく仕上げるはず。

そして押さえは、雨馬場予測でバゴ産駒のオウケンサクラ(6枠12番)、絶好調イタリアンレッド(7枠13番)、五冠牝馬アパパネはその次、さらにはホワイトマズル産駒なら雨はプラスがありそうなコロンバスサークル(2枠3番)、母の父がフレンチデピュティのアニメイトバイオ(8枠15番)まで押さえたい。
印は回らなかったが、馬場が渋らなければレディアルバロー(4枠7番)ザあたりも押さえておかなければならないし、馬券は買わないが、もう一頭のオークス馬・サンテミリオン(6枠11番)も存在感を示してもらいたい。
不良馬場になったら最内枠のアスカトップレディを押さえたい。

あー、難しい!

◎ セラフィックロンプ
〇 ウェディングフジコ
▲ フミノイマージン
△ オウケンサクラ
△ イタリアンレッド
△ アパパネ
△ コロンバスサークル
△ アニメイトバイオ
重注 アスカトップレディ

第46回デイリー杯2歳S(GII)

これからしばらくは、毎年このレースを迎えるたびに、昨年のレーヴディソールの競馬を思い出すことになるのではないかという、予想の上では何の参考にもならない予感とともに今年もデイリー杯2歳ステークスにチャレンジである。
そしてもちろん今年も「第2のレーヴディソール」が(男馬でも)このレースから誕生して欲しいという期待は大きい。
昨年が昨年だっただけに。

昨年が昨年だったのは確かだが、今年は今年。
今年は札幌2歳ステークスでかなり強そうな馬が2~3頭出てきたが、例年ならばそれほどアテにできない夏競馬の2歳チャンピオンの中にも、かなりやれそうな組が含まれているということで、現4歳世代が最強世代、そして現3歳ではオルフェーヴルが世代を超えた「最強馬」となりうる可能性が大きいだけに、そして、今年のここまでの2歳重賞の内容は、昨年や一昨年を大きく上回る印象もあるだけに、今年もここを勝つようなら現4歳世代を上回るような強力な世代となりうる。

前走阪神の野路菊ステークスが強い競馬であったダローネガ(6枠7番)あたりが人気になるのだろうか。
あるいは、今年は非常に時計がかかった小倉2歳ステークスで、エピセアロームはわずかに捕らえきれなかったが、それでも見せ場十分の2着と頑張ったタヤスツヨシ産駒・マコトリヴァーサル(2枠2番)あたりも差のない人気になるのではないかという組み合わせ。
今年の京都は、先週の競馬を見る限りでは、とてつもなく速い時計がマークされそうだから、サクラバクシンオーがより出ているマコトリヴァーサルはむしろ有利なのかな、という気もしている。

これら以外にも、まだキャリアの浅い面々だけに、予想は難しいが、であればその難しさを逆手にとって、思い切った狙いをしてみたい。
と、ここまで言うともしかしたら想像がついてしまうかもしれないが、注目したいのが、笠松競馬所属の芦毛・アウヤンテプイ(4枠4番)という馬。
アウヤンテプイとは、南米にそびえる山の名前なのだそうだが、いきなり高速の芝で不安が大きいが、しかし魅力もまた同時に備えている馬である。

笠松出身の芦毛馬と言えば、後に中央でもスーパーホースとなったオグリキャップの存在があまりにも強烈だが、こちらの芦毛は、オグリとは比べ物にならないくらいの良血馬であり、しかもデビュー戦を4着に敗れ、その後連戦連勝(といっても、まだわずか3戦ではあるが)、しかも走るたびに着差を広げているというのが、あのオグリの笠松在籍時とダブって見える。

もちろんオススメという意味の本命ではない。
ただ、オグリキャップというスーパースターがこの世を去り、存続が危ぶまれて久しいオグリの故郷・笠松競馬に何とか元気を取り戻してほしいという意味で、今回はこの馬に「夢」を託してみたい。
何しろ土曜日、西日本あたりは大雨の予報も出ているし、馬場が渋るようなことがあれば、その夢も現実のものとなるかもしれない。
いろいろな意味でアウヤンテプイという芦毛馬に頑張ってもらいたい。

そして相手は、こちらもちょっと変わった名前であるが、もしかしたらこれが先に行くことになるのかな、という予想もできる外国産馬のゲンテン(6枠8番)という馬にした。
馬名の由来を見ると、「原点」なのだそうだ。
「減点」ではなくてよかった。
そう言えば、懐かしい中学の数学で、原点と言えば「O(オー)」であった。
対抗(〇)はこの馬にはピッタリだ(くだらん・・・)。

ゲンテンの父・バーナーディニは、現役時代にはアメリカでプリークネスステークスを含むGI3勝、BCクラシックでも南米産のインヴァソールの2着という実績があり、底力は問題ないだろう。
展開的にも、早目に来るイメージの馬はそれほど多くなく、ひと雨あれば、あれよあれよの逃げ切りもありうるかと、こちらも希望的観測である。

そして単穴は、道悪も十分にこなせそうなマコトリヴァーサルにした。
前走はあえて控えての競馬で、価値ある2着であった。
人気の中心ではあるが、大トビなだけに、広い京都外回りでチャンスは大きくなったという気がする。

押さえの筆頭は、こちらは切れ味を生かしたいタイプの最内・クラレントという馬。
ただ、超高速馬場が今週も引き続いたと仮定して、それほど速くならずに極端な追い込みというのも少々疑問ではある。
その分がこちらは「減点」という感じで評価を少し下げた。
そして、人気のダローネガも当然押さえる。

あとは、前々走の新潟2歳ステークスでは位置取りが悪くなって大凡走に終わったが、前走は持ち前のしぶとい競馬で踏みとどまったメイショウハガクレ(7枠10番)、血統的に奥がありそうな、アドマイヤムーン産駒のトミーバローズ(7枠9番)、さらには、道悪なりそうということで、もう1頭の、こちらはエルプラド譲りの芦毛・カイシュウタビビト(5枠5番)という馬を押さえようと思う。

今年は昨年とは違った意味で、芦毛に夢を託す。

◎ アウヤンテプイ
〇 ゲンテン
▲ マコトリヴァーサル
△ クラレント
△ ダローネガ
△ メイショウハガクレ
△ トミーバローズ
重注 カイシュウタビビト

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