朝日CC ミッキードリーム

上昇ミッキー重賞初制覇!~第62回朝日CC(GIII)

例年どおり、秋の阪神開幕週を飾った朝日チャレンジカップであったが、今年は9頭という少頭数の競馬、前半からかなりのスローだったため、ゴール前は大接戦になった。
少頭数の別定GIII戦とは言え、なかなかの好メンバーであったが、しかし勝ったのは、実績馬よりも上がり馬という印象のほうがはるかにしっくりくるミッキードリームであった。
3連勝の重賞初制覇だから、陣営にとってはまさに幸先のよいスタートということができるだろう。

ホクトスルタン-川田が、少々スローではあったがまずまずマイペースの逃げに持ち込み、道中から馬群は一団というながれを、中団よりもやや後方に控えたミッキードリームは、直線で馬込みを縫うようにして抜けだしてきたから、相手を考えると、時計や着差以上に勝ちがあるのではないかと思われる内容で、これは馬が力をつけてきたということだろう。

春先は、中山記念でヴィクトワールピサに、そして続く産経大阪杯では、来月凱旋門賞に挑戦するヒルノダムール、さらには、力はこちらのほうが上ではないかと思われるダークシャドウ、昨年のダービー馬・エイシンフラッシュといった、同世代の強敵に敢えてぶつけていった音無調教師であったが、あの完敗もこの日のための布石であったかと思われるくらい、非常に順調にステークスウィナーの仲間入りを果たした。

もちろん、この勝利ですぐさまトップクラスに躍進、というわけにはさすがに行かないが、しかし今度は、このレースの勝ちがそうしたレベルアップへの布石になっていく可能性は十分だろう。
また、音無厩舎というのはそういう厩舎である。

2着に敗れたエーシンジーラインは、ホクトスルタンを見る形で、2番手で折り合っていた。
これも春は日経賞をはじめ、夏にかけてずっと重賞を使われてきた関係で、GIII戦なら勝負になると考えられたが、展開が向いたとは言え、しぶとく粘り込むという内容ではなく、どこかいつになく切れを感じさせる走りであったのは、この馬にとっては収穫の大きなレースになったと言えるのではないだろうか。
これは今後が楽しみになった気がする。

そして、こちらも強い4歳牝馬の副将格・レディアルバローザが3着に敗れた。
多少距離的には心配されるところもあったが、幸いにもペースが落ち着いてくれた。
後方外目の追走ではあったが、それほど距離ロスがあったわけではないから、力は出し切ったかな、という印象。
こういう距離でも十分やれるということがわかったこのレースは、地味ではあったが、レディアルバローザにとっても収穫は大きかったと思う。

期待したアドマイヤメジャーとサンライズマックスは、どちらもイメージよりは少し位置どりが後ろすぎた印象は否めない。
見るべきところなく惨敗してしまった。
ということはもちろん私の馬券も惨敗である。

期待したホクトスルタンは、前走長期休養明けを猛ペースの逃げということで、これは完全に二走ボケの様子であった。
スタートがさほど悪くないホクトスルタンがモッサリ出てしまった関係で、押してハナに行かなければならなかった。
直線でもエーシンジーラインにかわされてからまったくの無抵抗だから、時計的に見ても、まったく走っていない。

もちろん年齢的にも内容的にも、ファンとしては非常に心配な内容ではあるが、しかしいま一度、もう少し長いところでホクトスルタンの走りを見てみたいという思いは強く、とてもではないがこんなところで力尽きたとは思いたくない。
今後はぜひ、少し間隔をあけて、アルゼンチン共和国杯を目指して調整してもらいたいと思う。

2走続けてシンガリ負けではあったが、私はホクトスルタンの復活を信じている。