ローズS トライアル

第29回関西テレビ放送賞ローズS(GII・秋華賞トライアル)

さあ、いよいよ牝馬三冠レースの最終戦の秋華賞が近づいてきた。
秋華賞と言えば、トライアルはもちろんローズステークスである。
阪神外回りの芝1800m戦であるが、2006年の改修工事にともない、2007年からこの距離、コースで行われるようになった。
ちなみにそれ以前は芝の2000m戦で行われてきたが、その当時から、このローズSというと「名牝中の名牝」とされる素晴らしい牝馬が勝ち名乗りをあげてきた。

メジロラモーヌにマックスビューティ、シャダイカグラ、ヒシアマゾン、キョウエイマーチにファレノプシス、ファインモーション、アドマイヤグルーヴ、そして、もう5年も前になるダイワスカーレットと、このレースの勝ち馬はクラシックホースや、後に男馬とも互角以上の戦いを見せるくらいの強い牝馬たちばかりである。

特に阪神の芝の外回りコースというと、距離こそ1F短いものの、暮れの2歳女王決定戦である阪神ジュベナイルフィリーズの勝ち馬の素晴らしさが思い浮かぶが、これに通じるものがあるのがローズSということになるだろう。

今年は、牡牝をトータルしても、レーヴディソール一色であっただけに、これが桜花賞を前に戦線離脱を余儀なくされて、ともすれば牝馬クラシック路線は「小粒」とも評価されかねないわけだから、春のクラシック組や、春はまだつぼみをかたく閉ざしていた組もここで一気に開花というケースも当然考えられ、その意味では、世代のレベルを占う一戦ともなりうる今年のローズS、秋華賞のトライアルとしてだけではなく、今後を占う意味でも今年は非常に大きなレースとなりそうである。

桜花賞馬のマルセリーナ、オークス馬のエリンコート、どちらも人気を背負った「もう1頭の芦毛」であるホエールキャプチャに加え、マルセリーナ以外のディープインパクト産駒がこれらにどこまで迫れるのか、そのあたりが大きなポイントだろう。
特にホエールキャプチャは、春は少しさみしく映った馬体がどこまで成長しているか、そのあたりを注目してみたい。

というのも、春以前は、すぐに仕上がってしまうような印象があり、まだまだ身が入っていない印象があったからだ。
まだ競馬センスと根性だけで競馬していたから、春の結果から苦しい立場になったとするむきも少なくないようだが、私はこのクロフネ産駒が一番強いと(今のところ)思っている。

ここは少し重め残りで負けてしまうくらいの仕上がりが望ましいと個人的には思っているのだが・・・

いずれにしても、秋華賞、そしてその先につながる大一番、「トライアル」という見方ではまったく物足りないビッグレースである。