青葉賞 ダービー

第17回テレビ東京杯青葉賞 (GII・ダービートライアル)

例年青葉賞というと、その有力馬であっても「皐月賞組に比べればやや小粒」という印象が少なからずあるが、今年は少々事情が違う。

おそらく圧倒的人気になるのが藤澤厩舎のペルーサ。
「ヴィクトワールピサを負かすならこの馬」という人もいるくらい評価が高い。
確かに前走の若葉ステークスでは皐月賞2着のヒルノダムールを破っているだけに価値がある。
内々の1枠2番も絶好枠だ。

ただ、若葉S勝ちを含むデビュー3連勝だから、賞金的にはおそらくダービー出走当確ラインを上回るだろうから、ここはあくまでもステップ。
何と言っても本番のダービーに照準を合わせていることは間違いないから、思わぬ不覚を取る可能性も残る。

そして、思わぬ不覚をペルーサに取らせるとすれば、当然「ここで本気」の馬たちだろう。
その筆頭となるのが、おそらく2番人気になる超良血馬のトゥザグローリーの2戦2勝。
3枠5番に入った。
母はあのトゥザヴィクトリーということで、デビュー前から注目を集めていたが、ダービー出走をかけるレースが青葉賞までずれこんだ。

同じくデビュー2連勝の8枠17番ハートビートソングも、こちらはレースセンス抜群ということで、ダービー出走がかなえばこちらも本番で大いに期待できる1頭である。
そして、これら2頭のデビュー2戦を見ると、陣営はどうしてもダービー出走を実現させたい思いだろう。
そのためには、是が非でもペルーサを負かさなければならないわけだから、ここは力が入る。
さらには、前走の山吹賞で、小頭数ながら大外ひとまくりの豪脚を見せたトウカイメロディなど、ペルーサだけではないという印象を受けるのが今年の青葉賞だ。
また、藤澤厩舎からはペルーサ以外にもリリエンタールとミッションモードがここに参戦してきており、あわよくば「ダービー3頭出し」を狙うというところにも注目が集まるが、個人的にここは少額で夢を買おうと思う。

一昨年のフローラSで奥のある馬体に惚れ込んだメイショウベルーガの半弟、アグネスデジタル産駒の大外メイショウエバモアを狙ってみる。
さすがに相手は強いが、姉のメイショウベルーガ(父・フレンチデピュティ、天皇賞でも主力)の芝の長距離適性は、完全に母の父であるサドラーズウェルズから受け継がれている。
もちろん前走まで(すべてダート)の内容から、今の絶好の馬場状態では着もあぶないが、ひと雨降ってくれれば大いに台頭の可能性はある。
父はフレンチデピュティからアグネスデジタルに変わったが、どちらにしてもダート血統であることにはかわりなく、姉が芝のトップクラスでこれだけ切れる脚が使えるのであれば、同じく切れるサウンドバリアーと同じ父のメイショウエバモアが姉譲りの切れ味を芝で発揮しても不思議はない。

初芝で相手が強力であれば、メイショウベルーガの弟でもここはまったくの人気薄だろうから、3着以内に入ってくれればかなりの高配当が期待できるはず。
できれば2着以内(いや、勝ってしまえ!)に入って、ダービーでもその走りを見てみたいものだ。

相手は、人気勢の中ではおそらく一番前に行けるハートビートソングのほう。
レースセンスはペルーサにヒケをとっていない。
高速馬場の助けがあれば、ペルーサ以下を退けるチャンスは十分と見る。

パワフルな走りが魅力のトゥザヴィクトリーが単穴。
府中の長い直線は魅力で、破壊力十分の末脚が魅力の同馬が、ダービーではペルーサにかわって「次位筆頭」になる可能性はもちろんある。

若葉Sの勝ちは評価できるものの、展開の利というか、うまく外からヒルノダムールを閉じ込めたという印象が強く、その意味では、「実はペルーサって、そんなに(少なくともヴィクトワールピサと肩を並べるほどは)強くないんじゃない?」という疑問を持っているため、そのペルーサは押さえまで。
ここで圧勝するようなら、もちろんダービーでも候補に加える。

他では百日草特別の内容がよかったサクラエルドールが府中で変わりそうな気がする。
さらにスペシャルウィーク産駒のエクセルサス、藤澤厩舎からはミッションモード、未勝利勝ち直後でもスマートフォーカスまで押さえる。

人気になりそうなトウカイメロディは持ち時計がなく、藤澤厩舎のもう1頭リリエンタールもモンジュー産駒ということで、ジャパンカップでのあの負け方の父の姿を見ていると、とてもこのメンバーで顔を出すイメージはわかない。どちらもここは軽視する。

ただし、重以上に馬場が悪化した場合、リリエンタールは押さえる。

◎ メイショウエバモア
〇 ハートビートソング
▲ トゥザグローリー
△ ペルーサ
△ サクラエルドール
△ エクセルサス
△ ミッションモード
△ スマートフォーカス
重注 リリエンタール