帝王賞 レース回顧

レース回顧番外編~帝王賞のレース回顧

帝王賞を予想してしまった上、馬券を買ってしまったということで、ついでというわけではないが、ここまでやったのならレースの感想もやってしまおうということで、帝王賞のレース回顧も簡単に示しておこうと思う。

結果的に勝ったのは、船橋所属とは言ってもほぼ地元のフリオーソ(南関競馬)であった。
5番人気の評価であったが、いやぁ・・・すばらしい内容であったと思う。
先行争いに加わろうかというスタートだったが、内から「元・地元」の内田博幸騎手騎乗のサクセスブロッケンがこれを制し、2番手争いもこのフリオーソをはじめとした有力各馬がひしめく展開になり、フリオーソにとっては非常にいい流れになったのではなかったかと思う。
直線に向いてなお懸命に抵抗するそぶりを見せてはいたものの、やはりかなり力んで逃げていたような印象もあったサクセスブロッケンを軽々かわして先頭、そのまま押し切って優勝。
これだけのメンバーを相手に、かなり速い流れを番手追走から抜け出して好時計で勝ったのだから、これは「あっぱれ」以外の言葉が見つからない。

繰り返しになるがすばらしい勝利であった。
これでフリオーソ自身、一昨年以来の優勝以来、帝王賞は2勝目となった。
戸崎騎手も、同じくフリオーソとのコンビで制した2008年以来の帝王賞優勝ということになった。
中央でもなかなかの騎乗を見せてくれる騎手であるが、やはり地元ではさすがと言う騎乗であった。こちらも立派のひと言に尽きる。

こちらも2着は・・・やはり力がある。
休み明けで、おそらく万全の状態ではなかったはずであるが、人気のサクセスブロッケン、ヴァーミリアン、スマートファルコンといった中央勢の中ではやや影に隠れた存在になったカネヒキリが、やはり「絶対王者」としての存在感を見せつけた。
3着がボンネビルレコードだったから、まさに中央勢の意地を見せた格好となった。
道中は中団の内目をロスなく追走し、見るからに馬の負担を軽減する騎乗だった横山典弘騎手の、こちらもやはりファインプレーが目についた。
このジョッキーは中央、地方によらず、本当に乗れている。

仕上がりの差、順調度の差でフリオーソには見劣った形にはなったが、ラストの伸びはフリオーソを凌ぐ脚であり、とても休み明けとは思えないようなパフォーマンスのカネヒキリだから、おそらく次走以降、絶対王者としての本来の輝きを取り戻すのではないかと思われる。
2着ということで、まだ「完全復活」となったわけではないが、8歳という年齢を考えれば、いちおう「復活」の形は示したと言っていいだろう。

期待したアドマイヤスバルは健闘の4着であったが、ゴール前で一瞬ヘンな走りをしたのが少し心配だ。
見た目は無事ゴールインの形にはなったが、少し足元が心配である。
内容的には、カネヒキリの直後の追走で、カネヒキリと一緒に上がってきたが、まだまだ力ではカネヒキリには及ばなかった。

石崎隆之騎手のセレンも、後方からの追い込みは一瞬見せ場をつくるほどの脚であったが、さすがに中央の強力なメンバーが相手では5着が精いっぱい。
3着づけで馬券を買っていたが、あとひと伸びを欠いた。
というより、セレン自身は伸びていたのだが、脚色が一緒になってしまったと言うべきだろう。

外目から早目に動いたヴァーミリアンは追って伸びずの9着ということで、うーん・・・確かに馬券的には軽視したものの、実際これだけの凡走を見てしまうと、少し心配になってくる。
この馬の場合、たまにこういう不可解な凡走があることはあるが、得意の大井の舞台でこれだけ展開が向きながらも凡走というのはどう解釈したものか、正直なところちょっと困る。
スマートファルコンは最終的には3番人気の評価であったが、やはり距離的に少し長かったかな、という印象は否めない。
これだけのメンバーだから、ベストがマイル前後と考えると、やはりこの距離ではごまかしがきかなかったという感じを受けた。

もう1頭期待したマコトスパルビエロは、安藤勝己はテンから押して好位の外目を追走していたが、これは案外の伸びであった。
このところ2000m前後でも十分やれるだけの走りを見せていただけに、この結果は正直ちょっと物足りない。
本来の長距離に戻れば当然再度注目ということにはなるが・・・
確かに今回は相手が強かったが、いずれにしても、ちょっと走らなさすぎであったという気もする。

3着のボンネビルレコードの好走も手伝い、3連単は中波乱の16万馬券となった今年の帝王賞。
地元馬が頑張った結果ではあるが、馬券的にはフリオーソとボンネビルレコードを外していたために的中するはずもなく、残念ながら「負け」ではあった。
しかし、カネヒキリの復活や、本命のアドマイヤスバルの好走で、予想的にはそれほど大外れでもなかったので、また来年以降にリベンジを果たしたいものだ。
それにしても、アドマイヤスバルの足元がちょっと気がかりだ・・・