阪神大賞典 ファルコンS

中央競馬重賞レースポイント

松田国英調教師が「被災者のために我々ができることは、競馬・・・」という、実に強い意思を感じる発言をした。
そのとおり。
競馬関係者には競馬を行うことしかできない。
いや、競馬を開催することこそが被災者のためになるのだ。
正直私も競馬関連のコラムを書くべきか否か迷っていたが、松田調教師のことばで少し吹っ切れた。

先週中央競馬はすべて中止になったが、今週は開催される。
被害のあった中山は3月いっぱいは休止だが、阪神と小倉では開催される。
予定通りの開催ではないが、土曜は阪神開催の「第25回中日スポーツ賞ファルコンステークス(GIII)」、日曜は阪神の「第59回阪神大賞典(GII)」と「第59回中京記念(GIII)」そして、今週は月曜も開催される。
先週の阪神のスライド開催となる「第45回報知杯フィリーズレビュー(GII)」と「第13回阪神スプリングジャンプ(J・GII)」が阪神開催で行われる。
本来であれば、1レースずつレースポイントを書くところだが、今週はまとめて、それぞれかいつまんでレースポイントをご紹介する。

まずは「中日スポーツ賞ファルコンステークス」から。
レース名からもわかるように、本来であればこのレースは中京開催であるが、今年はすでにご承知のとおり、中京競馬場の改修工事のため、阪神競馬場で行われるというのが大きなポイントとなる。
条件は例年通り「3歳、芝1200mの別定GIII」ということになる。
阪神の1200mだから、軽快なスピード馬が台頭するケースが多い中京のファルコンSよりも、多少はタフなレースになる可能性がある。
そのあたりは重々注意が必要。
また、今年の場合はすでに阪神コースを経験している組も多いだろうから、そのあたりの「経験値」も、特にまだ若い馬たちのレースだからこそ、予想のよりどころとなるだろう。

次に、伝統の別定GIIである、芝3000mで行われる「阪神大賞典」
これはもちろん来る「天皇賞・春」への重要なステップレースとなることは言うまでもないが、かつての阪神大賞典のイメージではとても近年の阪神大賞典は的中できないということになってきつつある。
というのも、かつて阪神大賞典といえば、メジロマックイーンやナリタブライアン、さらにはスペシャルウィークなど、錚々たる名馬たちがこのレースを天皇賞・春へのステップレースとして臨み、そしてこれを勝って、本番の天皇賞でも優勝、ナリタブライアンも2着と、人気馬としての最低の仕事は果たしてきた。

ところが、ここ数年のステイヤー激減の影響がとみに現れ、かつての「鉄板レース」の面影はまったくないくらいに「波乱含み」のレースへと変貌しつつある。
このあたりが今年どう出るか、予想のしがいがある。
穴党としては波乱の傾向はありがたいのだが、今年はどうやら本格化したトーセンジョーダンが一本かぶりとなりそうな雰囲気もあるだけに、この距離のレースの古馬GIIでこれを負かすとなると少々難しいのかな、という印象も正直ある。

ただ、トーセンジョーダンとて、3000mがベストというタイプでは決してなく、であれば、負かすまでは難しいかもしれないが、もう何年も連続してこのレースを使われている「阪神大賞典巧者」のトウカイトリックをはじめとして、数少なくなった生粋のステイヤー(に近いタイプ)の出番もまったくなくはないかな、という気もしている。

また、日曜の中京記念、月曜のフィリーズレビュー、阪神スプリングJのポイントについては、先週記したポイントを参照していただきたいが、ただ、先週目標としていた馬たちがスライドで一週遅れということで、これらは当然波乱がある。
そのあたりを踏まえて、先週予想をしていた人(私を含めて)も、改めて予想をしなおす必要はあるだろう。

さあ、被災した方々のためにも、我々は競馬をがんばろうではないか!