京都記念 天皇賞・春

第104回京都記念(GII)

今年で104回目を迎える伝統の重賞・京都記念である。
もちろん毎年1回ずつ104年間行われたわけではないが、それでも十分歴史あるレースであり、このレースの勝ち馬から何頭もの古馬GI馬が輩出されていることは言うまでもない。
時期的にあまり頭数がそろわないことも多い京都記念であるが、今年のメンバーは、例によって頭数はあまり多くならないものの、登録馬の面々は実に豪華。
先週の東京新聞杯もGIIIではもったいない、完全にGIIレベルのメンバー構成であったという印象もあったが、今週の京都記念の登録メンバーは、いかにもGIIにふさわしいメンバー構成となった。

注目は、このところ少し勢いが衰えてきた4歳勢の中でも成長株であるトゥザグローリーだろう。
前走は有馬記念3着と、いよいよあふれる素質も開花を遂げそうである。
そして、その有馬記念で日経新春杯を圧勝したルーラーシップに先着していたトーセンジョーダンもまたAJCCを圧勝だから、これらの中でも最先着のトゥザグローリーの力はどうやら認めざるを得ない。
他にも、13頭の登録馬中、オウケンブルースリ、シャドウゲイト、ダノンシャンティ、ビッグウィークという、4頭の国内外のGI馬の名前があるところが素晴らしい。
加えてGIでも好走実績のあるフレンチデピュティ産駒の牝馬2騎メイショウベルーガ、プロヴィナージュの名前もあり、これもまたこのメンバーでも勝負になりそうだからレースのレベルは高い。

先週のきさらぎ賞では逃げたリキサンマックスが最後の最後まで粘り込んだが、先々週あたりから外差しが決まるようになってきた外回りの馬場だけに、メンバー的にスローは確実でも、やはり差し・追い込みタイプが有利になるのかな、という想像はできる。
ブエナビスタ、ヴィクトワールピサといったトップグループがドバイに向い、また京都記念に登録のあるダノンシャンティの場合ここを勝つにせよ勝たないにせよまず天皇賞という選択肢はあり得ないということで、ダノンシャンティを除く出走馬がここを勝つ、あるいは次につながる好内容の競馬ができれば即、「天皇賞・春の有力候補」として名乗りを挙げることになるから、例年であれば阪神大賞典、日経賞、そしてときおり大阪杯の勝ち馬が有力候補となる天皇賞・春ではあるが、今年のこのメンバーの京都記念なら大いに注目である。
久々に「京都記念→天皇賞・春」の路線から春の長距離王が誕生する可能性も見えるかもしれない。

歴史や伝統という無形の何かを感じることができるのも京都記念であれば、来る春を古馬にいち早く告げるのも京都記念である。
これはもう今から楽しみなレースである。
全馬無事にゴールインし、なおかつ素晴らしいレースを期待したいものだ。