小倉大賞典 サンライズベガ

ここで重賞初制覇!7歳馬サンライズベガ快勝!~第46回小倉大賞典(GIII)

崩れがないとしたらリルダヴァルではなくナリタクリスタルのほうだと思っていたが、そうではなかった。
実質本命のナリタクリスタルが崩れてしまっては馬券的にどうにもならなかった・・・

とにかく4歳が強い強いと言われてきたが、先々週のAJCCでは5歳→8歳→8歳の組み合わせで決まり、今年最初のローカルハンデ重賞の小倉大賞典はなんと7歳→7歳→4歳の組み合わせの決着ということで、3連単は17万馬券の小波乱となった。
2番人気のナリタクリスタルは、10歳のマヤノライジンの1つ下の7着だから、これは惨敗と言わなければならないだろう。
この時期としては時計も優秀だったから、多少時計がかかる馬場のほうに適性があるナリタクリスタルにとって、その時計の分の負けという感もあるし、休み明けを叩いたプラス8kgというのも、早々と手ごたえをなくした走りからはいかにも重かったという印象で、ナリタクリスタルにとってはあらゆる面で味方しなかった。

ところで勝ったサンライズベガ。
道中はかかり気味の進出であったが、それでもゴール前では折り合いが完ぺきだったバトルバニヤンやリルダヴァルを競り落としているくらいだから、今の小倉の馬場はとにかく前にいないと厳しいということが如実に表れた結果であったという気がする。
いずれにしても、デビューから31戦目、7歳にして初めての重賞制覇ということで、これは陣営にとってもファンにとっても非常にうれしい優勝だったことだろう。
きっとサンライズベガ自身もうれしいに違いない。
これまで「イマイチの代名詞」的な発言をしてしまったが、そうした不適切な発言を撤回すると同時に、素直に「おめでとうございます」の言葉を贈りたいものだ。

2着バトルバニヤンも、昨年夏の好調のインパクトが大きかったために、勝手に「夏馬」と思いこんでいたフシもあり、これは反省しなければならない。
それにしても素晴らしい仕上がりだった。
小倉が得意であることを差し引いても十分勝ち負けできるだけの仕上がりだったのではなかったか。
リルダヴァル同様こちらも池江泰郎厩舎。
注目を集めたリルダヴァルだけでなく、人気薄のバトルバニヤンのほうもまったく抜かりなく仕上げて穴を開けるところはいかにも池江先生らしい。
最後の最後に存在感を見せつけてくれた。

人気のリルダヴァルは、昨年から一連のステップで見せる「惜敗癖」がどうにも抜けない。
勝負弱いと言ってしまえばそれまでだが、2歳時にはクラシック候補の呼び声も高く、よく走ってはいるのだが、昨年の春先に見せたギラギラするような闘志が少し陰りを見せているかな、という印象が少し気になる。
ちょっと間隔も詰まり気味なので、ここらあたりで少し息抜きもさせてあげたいかな、という気持ちもある。
立て直せば間違いなく走ってくる器だから、あまり無理をさせたくないような気もする。
とは言え、勝ちきれなかったフォゲッタブルを使い込んで菊2着まで持ってきた厩舎だから、これはあくまでも独りごとととらえてもらいたい。

期待したスマートステージ(予想コラムで「今回からブリンカー着用」と書いてしまったが、これはもっと前から着用していた)は、着順は4着と、あと一歩で馬券圏内という、まあ惜しい結果であったにはあったが、内容的には「好走」と言えるほどのものではなかった。
ただ、時計的にはこの馬としては十分走っており、実績ある3頭が前にいたということもあり、これは仕方のない4着であった。
ただ、馬券的には残念であった。

そして、上位3頭と同じくらい頑張ったと言う印象があったのが、10歳馬のマヤノライジンの6着。
昨年もこの馬には印をつけていたのだが、昨年以上の高速馬場で1分45秒台をマークしたのは素晴らしい。
第二のアサカディフィート的な存在になってもらいたい。
というより、この馬の場合、年を重ねてから順調度が増したという印象があり、10歳にして初重賞制覇などというとんでもない記録にもぜひチャレンジしてもらいたいものだ。

それを考えればサンライズベガの7歳で重賞初制覇なんて、まだまだ若いものである。
ということは、サンライズベガ自身ももしかしたらこれから大きな飛躍が待っているのかもしれない。
人間だけでなく、競走馬の世界にもどうやら高齢化の波が及んできているようだから、これからは牡牝や年齢で馬券検討することだけは避けなければならないという戒めにもなるレースであった。

期待したニューイヤーSは、コスモセンサーのほうは差し・追い込み馬が台頭するレースということで展開が向かず、ダイシングロウはまだ本来の状態に戻りきっていない感じの凡走となってしまった。

ローカル重賞を的中できない「長いトンネル」はどこまで続くのだろうか・・・