クイーンC 桜花賞

第46回デイリー杯クイーンC(GIII)

府中の芝のマイル戦で行われるクイーンカップが今週行われる。
今年で46回目というのは、実は翌日に行われる牡馬の出世レース・共同通信杯よりも1年古いレースであるというのは意外と知られていない。
それだけ古くから行われているレースだから、あまり大昔の傾向を引っ張り出して馬券検討する必要はないわけだが、とすると、近年のクイーンCの傾向として実にハッキリとした特徴が表れている。

この時期の芝のマイル戦ということで、当然思い当たるのは同じ距離で行われるクラシック第一弾、阪神競馬場の外回りの桜花賞である。
しかし意外にも、府中のマイル戦という底力が要求されるシチュエーションで行われるこのクイーンCからは何年も桜花賞で馬券圏内に入る馬を出していないのだ。
一昨年のディアジーナのように桜花賞に出走しなかったケースや、外国産馬にクラシックの門戸が開放されていなかったという時代も長かったことも桜花賞とのつながりが希薄になってしまった一因ではあるだろうが、これを「たまたま」と見過ごすわけにはいかないだろう。

では、同じ距離で同じような時期に行われる桜花賞とどうしてここまで疎遠になってしまったのかというその因果関係を知ることで、少しでも馬券(クイーンCも桜花賞も)へのアプローチになるまいかと考えたりもする。
まあそうした考え方の手法は人それぞれだから、そのほうがいいという言い方はできないが、個人的にはそうしたアプローチも必要かと思っている。
1年で一番寒い時期に行われるレースだから、男馬に比べれば多少成長が早い牝馬でも、まだこれから成長してくる馬は多く、シンザン記念やアーリントンカップのように比較的牝馬が活躍する余地が残るレースとちがって、スピードよりもどちらかといえば底力が重視された配合の馬が活躍する舞台なのではないかという気がしている。

実際、ここを勝って桜花賞を凡走しながらオークスで再浮上するといったタイプの馬もちらほら目につくくらいだから、単に府中巧者であったということではなく、「成長力に勝るタイプ」の馬が活躍する舞台となっている可能性がある。
だからこそ、このレースの勝ち馬やそれと同じくらいの力があるとみなした馬は、少なくともオークスまでは忘れることはできないのだ。
そんな具合に、このレースは血統を重視し、このレースで力のあるところを見せた馬は、直近ではなく、少し先のクラシック戦線で活躍するかもしれないという心づもりが必要ではないかと個人的には考えている。