マーメイドS ハンデ

第15回マーメイドS(GIII)

さみしいことに、今週の重賞は阪神の牝馬限定GIIIのマーメイドステークス1鞍のみである。

とは言っても、このレースはハンデ戦になった2006年以降、2007年の3万馬券(武豊騎手騎乗の2番人気・ディアチャンスが優勝)を除けば、3連単の配当はすべて10万以上、中でも一昨年、12頭立てであったこのレースは、ダントツのシンガリ人気の支持を得た(?)トーホウシャインが優勝、2着にも10番人気のピースオブラヴが、そして3着には、毎年のようにこのレースを使われていた5番人気のソリッドプラチナムが入り、12頭立てながら200万馬券に迫ろうかという193万馬券が飛び出し、口がアングリとあいてしまったレースであった。

もうとにかく荒れまくる。
牝馬限定とはいっても(3歳牝馬がほとんど出走してこないため)古馬牝馬のレースだから、それほど荒れないという印象もあるかもしれないが、とんでもない、ここははじめから大波乱を期待して馬券を買わなくてはまず当たらないレースと言ってもいいだろう。
まさしく穴党のためのレースである。

波乱の要因はいくつもある。
古馬牝馬限定とは言っても、ハンデ戦ゆえ、トップランクの牝馬の出走が(ハンデ戦に移行してからは)ほとんどなく、どの馬も「帯に短し襷に長し」といったシチュエーションで行われるハンデ戦だから、まずこの時点で早くも「波乱含み」は確定である。
そこに来て、いよいよ本格的に始まった梅雨の影響で、かなり緩い馬場での競馬となるため、「キレ味を生かして・・・」とか、「このメンバーなら時計的に・・・」などといった、一般的な重賞レースで通用するファクターがすべて通用しなくなってしまうといった状況でゲートインとなることが多いのだ。
そういったところでこのマーメイドSの波乱はほぼ約束されたようなものである。

かつてこのマーメイドSがまだ別定戦であったころには、女傑エアグルーヴや、その娘でのちにエリザベス女王杯の2勝目(このときすでに1回は勝っていた)をあげることになるアドマイヤグルーヴなど、トップランクの牝馬が出走し、そして優勝を飾ってはいたが、今はもうそのおもかげはまったくと言っていいほどなくなってしまったレース。
個人的には軍資金があるうちに今年は「軍資金3倍増計画」を前面に打ち立ててこのレースにチャレンジしたいと考えている。