CBC賞 エプソムC

第27回エプソムC(GIII)/第12回CBC賞(GIII)

エプソムカップのほうは、元2歳王者のセイウンワンダーが久々の重賞勝ちを収めた。
形としては人気に応えた形になったが、シルポートの単騎逃げの展開を考えると、あれだけ後方でガマンさせて、ラストでギリギリシルポートを捕まえたのだから、ハナ差ではあってもやはりこの馬は力がある。
道中の折り合いさえつけば、ラストの伸びは「保証付き」という感じさえする。

前走のマイラーズカップもそこそこいい脚で追い込んできていたので、仕上がり具合はまず問題ないだろうと踏んでいたのだが、今回は展開的にはセイウンワンダーには味方しないと考え、この時点でもう予想はまったくダメであった。
先週が先週だったから、今週しっかりと的中してさらなる勢いをつけたかったのだが・・・

そして逃げたシルポートはやはり力がついてきた。
ホワイトマズル産駒だからまず成長力に疑問符はつかないわけだし、今後もますます楽しみになった。
今日は勝ち馬の末脚に一日の長があったが、これで重賞でもやれる力があることは証明された。
個人的に心配した「精神面のダメージ」も杞憂に終わった。
ここまでかなり使われてきているシルポート、重賞には惜しくも手が届かなかったが、ここでひと息入るのだろうか。

大接戦の3着、人気薄のキャプテンベガも、内からしぶとく伸びていた。
先週に引き続いて今週も後藤騎手の手綱が冴えた。
先週はありがたかったが、今週はまったくありがたくなかった。
物事、そうなにもかもうまく運ぶものではないことが実感される。
全体的に少し馬場が荒れてきていたのが、キャプテンベガにとっては大きくプラスに働いた印象がある。
今回の好走の要因を「成長」と見るべきか、あるいは馬場に助けられたと見るべきかはやや微妙。

4番人気の支持を集めたセイクリッドバレーは、今日は大きなチャンスと思っていたが、またまた「好走」の4着。
うーん・・・いまひとつパッとしない馬になってしまった気がする。
もちろん年齢的にまだまだこれからではあるが・・・

金曜の予想のコラムではサンライズマックスに本命を打っていたが、まだ状態一歩だったのだろう。
そして、実は本命はこちらに変更したのだが、本命視し、期待したテイエムアタックは、府中に良績があり、そしてテイエムオペラオー産駒ということで距離が延びてむしろ期待していたのだが、見た目以上に前半行きたがっていたのだろう。
ただ、先々はこうした距離のほうが良さが出るタイプにも思えるだけに、慣れてくれさえすれば、中距離路線でもアッと言わせるシーンがあるかもしれない。
問題は、今日の競馬を受けてこのあと陣営が中距離を使ってくるかどうかだ。
マイル以下ではやや頭打ち、展開の助けが必要なタイプだけに、個人的には使ってもらいたいのだが・・・


そしてCBC賞のほうは、期待のメリッサが見せ場たっぷりの4着ということで、直線入り口では思わずテレビの画面に近付いてしまったが、多少外枠が響いたのか、最後は止まってしまった。
今回好走したからといって、引き続き狙えるタイプでもないだけに難しい馬だが、また条件が合えば狙ってみたいと思う。

勝ったヘッドライナーは、あまりマイペースの逃げという印象ではなかったのだが、ラストは本当にしぶとかった。
馬券的にも押さえはしていたのだが、頭に来られてしまうと元も子もない。
この馬も今日勝ったからといって、脚質的に「次も」というタイプではないので、人気にもなるであろうヘッドライナーは、次回も様子を見て馬券検討する必要があると思っている。

ダッシャーゴーゴーは「先行力」を警戒していたのだが、なんと追い込みの競馬で2着をもぎ取った。
これは戦法に幅が出た印象が強く残り、この時期のGIIIのメンバーが相手でも、先はかなりやれるという印象がある。
ただ、斤量的に52kgは恵まれたという印象もあり、このあたりがどうか、といったところだ。

3着のワンカラットは、距離が短縮したことよりも走りづらい稍重の馬場が味方したという印象が残る。
確かに折り合いが問題になる可能性が限りなく小さくなるこの距離が合っていた、と取ることもできるが・・・

人気のシンボリグランは、大崩れすることはないが、ワンパンチに欠けるタイプであるだけいに軽視したが、まさにその通りの競馬になってしまった。
56kgならアッサリ勝たなければいけないメンバーであったという気もするが、もしかしたら年齢的な衰えがいよいよ見え始めたのかもしれない気もする。
もちろんそういったデリケートな部分を断言するわけにもいかないが・・・

もう1頭のランチボックスはまったく見せ場なく後方のまま敗れた。
このメンバーで54kgはやや見込まれたかなといった印象があったが、どちらかと言えば得意の部類に入る稍重の馬場でまったくいいところがなかったのは、マイナス10kgの馬体減が響いたのかもしれない。
まだ寒かったオーシャンステークスから間隔があいた原因は、もしかしたら馬体回復に手間取っていた可能性もあったのかもしれないという気が、今更ながらにしている。


いずれにしても、両レースとも非常に難しい競馬であった。
開催のラストだっただけにちょっと不甲斐なく、悔いが残る結果だった。
開催のラストレースであっても、宝塚記念に、そして夏競馬に向けては重要な「ステップレース」であっただけに、非常に残念だ・・・